膝の痛みは腰痛や肩こりと比べても、決して少なくはない悩みの1つです。年齢を重ねてくると、膝の関節軟骨の老化や膝の怪我の後遺症が原因となって、膝の関節がすり減ったり変形してしまう“変形性膝関節症”を生じることがあります(参考文献①)。
厚生労働省の調査によると、国内の潜在的な変形性膝関節症の患者数は、推定約3000万人としています(参考文献②)。
そこでこの記事では、膝に痛みを抱える方にお勧めする運動を紹介します。
膝が痛みやすい3つの動きとその原因
一口に膝が痛いと言っても、痛みの生じる動きや場所は人それぞれ違うはずです。
膝の痛みを大きく分けると、以下の3つに分けられます。
■ 立ち座りの時の痛み
■ 歩く時の痛み
■ 階段を昇り降りする時の痛み
立ち座りの時の膝の痛み
立ち座りの時は、他の2つと比べると一番膝が曲げ伸ばしされ大きく動きます。
関節の中は、関節包(かんせつほう)と呼ばれる袋状の組織の中に関節液(かんせつえき)という液体が満たしています。
関節へ負担がかかる時に関節液が増えて関節を保護し、その後は関節液が吸収されて元に戻ります。
ですが、関節に負担がかかり過ぎたり関節が炎症を起こすと、関節を守るために関節液が過剰に増え、関節包がパンパンに膨らんだ状態となります。
その状態で関節を動かすとパンパンな関節包がさらに引き伸ばされて痛みを感じます。
歩く時の膝の痛み
歩く時は純粋な膝の曲げ伸ばしだけでなく、膝がぶれないように膝の前後左右の筋肉で足を安定させて歩きます。
膝周りの筋力が弱いと、足をついた際に支えることができず、左右へぶれてしまいます。
多いのは、膝の外側の腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)という長い繊維で支えながら歩きます。
腸脛靭帯で支えて歩くと、腸脛靭帯は過剰に伸ばされ、反対に膝の内側は関節が圧縮されるような負荷が加わります。
そうした靭帯、筋肉や関節の摩擦や圧迫力による負荷によって痛みを感じます。
階段を昇り降りする時の痛み
階段を昇り降りする時は、立ち座りする時の膝の曲げ伸ばし、歩く時の膝の外側へのぶれの両方起こる可能性があります。
ですが、両者と違うのは膝が曲がった状態で動くことが多いことです。
膝が曲がったままで動くと、前ももの大腿四頭筋(だいたいしとうきん)が常に力を入れた状態となります。
この状態が慢性化すると、大腿四頭筋は硬く動きが悪くなります。
大腿四頭筋の下には脂肪や関節包があり、大腿四頭筋が硬く動きが悪くなることで、脂肪や関節包も動きが悪くなります。
大腿四頭筋と周りの脂肪や関節包の動きも悪くなることで、膝関節や膝のお皿の動きも悪くなり、膝へかかる負荷も増えて痛みを感じます。
膝が痛い時にしてほしい4つの運動
上記で解説した膝の痛みについて、それぞれに対して効果的な4つの運動を以下に紹介します。
共通する部分としては、「股関節」をいかに上手く使うかという点です。
立ち座りの痛みに対する運動
立ち座りの時に股関節を深く曲げることができないと、膝へかかる負担が大きくなります。
近くの関節がそれぞれが動くことで、一か所に負担が集中しないようになっているので、膝への負担を減らすには、股関節がよく動くことがポイントです。
歩く時の痛みに対する運動
外側の腸脛靭帯で支えないようにするには、外側に対して内側の筋肉を働かせる必要があります。
膝のお皿を外側へ向けたまま足を上げ下ろしすることで、太ももの内側の筋肉を働かせることができます。
階段を昇り降りする時の痛みに対する運動
片足に対して膝がぶれないように体重を乗せることで、大腿四頭筋の内側と外側を働かせることができます。
内も外もバランス良く働かせることで、大腿四頭筋が硬くなるのを防ぐことができます。
自転車やプールも効果的!
上記の運動の他に、有酸素運動も膝の痛みに効果的です。
ある研究では、軽い膝の変形を伴い膝に痛みを感じている方を対象に自転車による運動を実施したところ、12週間で大幅に痛みが軽減、歩く速さも改善したという報告がされています。
また、水中での運動と陸上での運動を比べた研究では、水中での運動の方が痛みを減らすことができたとしており、プールでの運動も効果的だと言えます。
痛みと向き合って自分にあった対策を
膝の痛みのせいで何かをするのが億劫になっているのなら、本記事の内容が助けになるかもしれません。
膝の痛みに将来的な不安を抱えたまま生活を送るより、痛みにしっかりと向き合って対策していきませんか?
▼ 参考文献①
タイトル:変形性膝関節症. 厚生労働省.
URL:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/04.pdf
▼ 参考文献②
タイトル:「介護予防の推進に向けた運動器疾患対策について 報告書」平成20年7月. 介護予防の推進に向けた運動器疾患対策関する検討会
URL:https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/dl/s0701-5a.pdf



























































